周波数とモードの警告の根拠(JARLバンドプラン)
入力画面・QSO詳細の編集・CQの周波数設定で、周波数とモードの組み合わせに「⚠ CWの区分(SSBは不可)」「⚠ 呼出周波数(連絡設定専用)」のような注意が出ることがあります。この文書は、その判定に使っている表と規則、出典をまとめたものです。
警告であって、保存は止めません。 衛星・EMEの交信や、過去の運用の記録を直すときなど、利用者がそれと分かって保存する場面があるためです。割当範囲の外(例: 7.201MHz)だけは赤く表示して保存を止めます。
出典
| 資料 | 内容 | 確認日 |
|---|---|---|
| JARL「アマチュアバンドプラン」令和5年9月25日施行版(PDF) | 区分の表。このアプリの表はこの図の写しです | 2026-10-12 |
| JARL NEWS 2023年秋号「バンドプラン改正の概要」(PDF) | 区分の用語(狭帯域データ=SSB送信機のFT4・FT8・RTTY等、広帯域の電話=FM・DV等)、告示との違いの説明 | 2026-10-12 |
| 総務省「アマチュアバンド使用区別早見表」令和5年9月25日現在(PDF) | 境界の扱い(上限は含む・下限は含まない)、バンドの端の注意(無線局運用規則第257条) | 2026-10-12 |
| 総務省 東海総合通信局「アマチュア無線局の使用区別」(ページ) | 境界周波数の扱い(A8)、呼出周波数とデジタル呼出周波数の扱い(A4) | 2026-10-12 |
| 令和5年総務省告示第80号「アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別」(令和7年7月17日 総務省告示第259号で一部改正) | 法令上の正本。令和7年の改正は2,400MHz帯以上の中継用区分の緩和で、JARLの表記は据え置き | 2026-10-12 |
JARL自身が「諸外国の運用や世界的な慣習等をふまえて総務省の使用区別告示とは異なる表記をしている場合があります」と注記しています。このアプリはJARLの表記に従います。告示の方が緩い箇所(例: 14.070〜14.100は告示では狭帯域の全電波型式、JARLではCW・狭帯域データ)では、JARLの区分で注意が出ます。
判定の規則
- 区分の境界: 各区分の上限の周波数はその区分に含み、下限は含みません(総務省早見表の注記)。7.030MHzはCWの区分で、7.031MHzから狭帯域の全電波型式です。バンドの下端(7.000MHzなど)だけは最初の区分に含めます。
- 判定に使う周波数: 無線機にセットした周波数(SSBは抑圧搬送波=ダイヤルの周波数)です。占有帯域が隣の区分へはみ出すこと(7.031MHzのLSBは7.028〜7.031MHzを占める)は、使用区別の違反にはなりません(東海総合通信局FAQ A8「使用区別の上限の周波数と発射する電波の搬送波の周波数が一致してもよい」)。ただし隣の区分の局との混信のおそれがあるので、境界の周波数は避けるよう勧められています。
- バンドの端: 割当の端(分断バンドの隙間の縁も含む)では、占有帯域の全部がバンド内に収まる必要があり、端の周波数にはセットしません(無線局運用規則第257条、総務省早見表の注記)。端そのものにセットしたとき、または下の表で見積もった占有帯域が端の外へ出るときに注意が出ます。
- 呼出周波数: 告示の備考8で「この表の規定にかかわらず」F2A・F3E(FM)の連絡設定に限り使えます。呼出周波数では区分の判定を重ねず、「連絡設定専用」の注意だけを出します。デジタル呼出周波数(145.30MHz等)は、JARLが使用を推奨するもので使用区別の区分ではありませんが、交信に使わない周波数である点は同じなので注意を出します。
- 衛星・EMEの区分: 衛星通信・月面反射通信かどうかは画面から分からないので、「衛星の区分(衛星通信以外は不可)」のように出します。衛星やEMEの交信ならそのまま保存して構いません。
- 判定しないもの: 免許資格(周波数・空中線電力の制限)、レピータの使用条件、地域ごとの取り決め、選択肢に無いモード(取り込み由来のPACKET・MFSK等)。
モードと区分の対応
このアプリで選べるモードを、JARLの用語の系統に写しています。
| 系統 | モード | JARLの用語 |
|---|---|---|
| CW | CW | A1A |
| 狭帯域データ | RTTY・FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31 | SSB送信機を使う帯域幅3kHz以下のデータ通信 |
| 狭帯域の電話 | SSB・AM | J3E・A3E(A3Eは6kHzだが例外的にこの区分) |
| 広帯域の電話 | FM・DV | F3E・D-STAR DV(F7W) |
| 画像 | SSTV | SSB送信機でもFM送信機でも |
区分ごとに使えるモード(このアプリの語彙の範囲)。
| 区分 | 使えるモード |
|---|---|
| CW | CW |
| CW・狭帯域データ | CW・RTTY・FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31 |
| 狭帯域の全電波型式 | CW・SSB・AM・RTTY・FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31・SSTV(FM・DVは不可) |
| 狭帯域の全電波型式(200Hz以下/500Hz以下/2kHz以下) | CW・RTTY・FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31(JARLの注記で「SSBやAMによる電話での運用不可」) |
| 全電波型式/全電波型式(実験・研究用)/衛星 | すべて |
| EME | CW・SSB・AM・RTTY・FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31・SSTV |
| レピータ/VoIP | FM・DV |
| 広帯域データ | RTTY・FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31 |
| 広帯域の電話・電信・画像 | FM・DV・SSTV |
| CW・狭帯域の電話・電信・画像 | CW・SSB・AM・SSTV |
| ビーコン/ATV・高速データ/アシスト | なし(交信用の区分ではない) |
Modeのプルダウンには、選んでいるバンドのどの区分でも使えないモード(10MHz帯のSSB、7MHz帯のFMなど)を出しません。
区分の表(JARLの図の写し)
周波数の範囲は「下限を超え、上限以下」です。
135kHz帯・475kHz帯・1.9MHz帯(kHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 135.7〜137.8 | 狭帯域の全電波型式(200Hz以下) | CWを除き占有周波数帯幅200Hz以下 |
| 472〜479 | 狭帯域の全電波型式(200Hz以下) | 同上 |
| 1,800〜1,830 | CW | |
| 1,830〜1,845 | CW・狭帯域データ | 告示では全電波型式。FT4・FT8の実態に合わせたJARLの表記 |
| 1,845〜1,875 | 狭帯域の全電波型式 | SSB・AMによる電話での運用可 |
| 1,907.5〜1,912.5 | 狭帯域の全電波型式(500Hz以下) | SSB・AMによる電話での運用不可 |
3.5MHz帯・3.8MHz帯(kHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 3,500〜3,530 | CW | |
| 3,530〜3,580 | 狭帯域の全電波型式 | 3,535kHzは非常通信周波数 |
| 3,599〜3,612 | 狭帯域の全電波型式 | |
| 3,662〜3,687 | 狭帯域の全電波型式 | |
| 3,702〜3,716 | 狭帯域の全電波型式 | |
| 3,745〜3,770 | 狭帯域の全電波型式 | |
| 3,791〜3,805 | 狭帯域の全電波型式 |
7MHz帯・10MHz帯(kHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 7,000〜7,030 | CW | |
| 7,030〜7,200 | 狭帯域の全電波型式 | 7,050kHzは非常通信周波数 |
| 10,100〜10,120 | CW | |
| 10,120〜10,150 | 狭帯域の全電波型式(2kHz以下) | SSB・AMによる運用不可 |
14MHz帯・18MHz帯・21MHz帯・24MHz帯(kHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 14,000〜14,070 | CW | |
| 14,070〜14,100 | CW・狭帯域データ | 14,100kHzはJARLのビーコン |
| 14,100〜14,350 | 狭帯域の全電波型式 | 14,300kHzは非常通信周波数 |
| 18,068〜18,080 | CW | |
| 18,080〜18,110 | CW・狭帯域データ | 18,110kHzはJARLのビーコン |
| 18,110〜18,168 | 狭帯域の全電波型式 | 18,160kHzは非常通信周波数 |
| 21,000〜21,070 | CW | |
| 21,070〜21,150 | CW・狭帯域データ | 21,150kHzはJARLのビーコン |
| 21,150〜21,450 | 狭帯域の全電波型式 | 21,360kHzは非常通信周波数 |
| 24,890〜24,900 | CW | |
| 24,900〜24,930 | CW・狭帯域データ | 24,930kHzはJARLのビーコン |
| 24,930〜24,990 | 狭帯域の全電波型式 |
28MHz帯・50MHz帯(MHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 28.00〜28.07 | CW | |
| 28.07〜28.20 | CW・狭帯域データ | 28.20MHzはJARLのビーコン・非常通信周波数 |
| 28.20〜29.00 | 狭帯域の全電波型式 | |
| 29.00〜29.30 | 全電波型式 | |
| 29.30〜29.51 | 衛星 | |
| 29.51〜29.70 | 全電波型式 | 29.51〜29.59・29.61〜29.70はレピータにも使える |
| 50.00〜50.07 | CW | EMEに限り狭帯域の全電波型式。50.01MHzはJARLのビーコン |
| 50.07〜51.00 | 狭帯域の全電波型式 | 50.10MHzは非常通信周波数。51.00MHzは呼出周波数・非常通信周波数 |
| 51.00〜52.90 | 全電波型式 | 51.30MHzはデジタル呼出周波数・非常通信周波数、51.50MHzは非常通信周波数 |
| 52.90〜54.00 | 全電波型式(実験・研究用) |
144MHz帯(MHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 144.00〜144.02 | EME | |
| 144.02〜144.10 | CW | EME可。144.10MHzは非常通信周波数 |
| 144.10〜144.50 | 狭帯域の全電波型式 | 144.10〜144.20はEME可。144.30〜144.50は国際宇宙ステーションとの交信に限り広帯域の電話・電信・画像も可 |
| 144.50〜144.60 | VoIP | |
| 144.60〜144.70 | 広帯域データ | 告示では全電波型式。JARLの表記 |
| 144.70〜145.65 | 広帯域の電話・電信・画像 | 145.00MHzは呼出周波数・非常通信周波数、145.30MHzはデジタル呼出周波数・非常通信周波数、145.50MHzは非常通信周波数 |
| 145.65〜145.80 | 全電波型式(実験・研究用) | |
| 145.80〜146.00 | 衛星 |
430MHz帯(MHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 430.00〜430.10 | CW | 430.10MHzは非常通信周波数 |
| 430.10〜430.70 | 狭帯域の全電波型式 | |
| 430.70〜431.00 | VoIP | |
| 431.00〜431.40 | 広帯域データ | 告示では全電波型式。JARLの表記 |
| 431.40〜431.90 | 広帯域の電話・電信・画像 | |
| 431.90〜432.10 | EME | |
| 432.10〜434.00 | 広帯域の電話・電信・画像 | 433.00MHzは呼出周波数・非常通信周波数、433.30MHzはデジタル呼出周波数・非常通信周波数、433.50MHzは非常通信周波数 |
| 434.00〜435.00 | レピータ | |
| 435.00〜438.00 | 衛星 | |
| 438.00〜439.00 | 全電波型式(実験・研究用) | |
| 439.00〜440.00 | レピータ |
1200MHz帯(MHz)
| 周波数 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 1,260〜1,270 | 衛星 | |
| 1,270〜1,273 | レピータ | |
| 1,273〜1,290 | ATV・高速データ | |
| 1,290〜1,293 | レピータ | |
| 1,293〜1,294 | 全電波型式 | 1,294MHzは非常通信周波数 |
| 1,294〜1,294.5 | CW・狭帯域の電話・電信・画像 | |
| 1,294.5〜1,294.6 | ビーコン | |
| 1,294.6〜1,295.8 | 全電波型式 | 1,295.00MHzは呼出周波数・非常通信周波数 |
| 1,295.8〜1,296.2 | EME | |
| 1,296.2〜1,299 | 全電波型式(実験・研究用) | |
| 1,299〜1,300 | レピータ |
2400MHz帯・5600MHz帯・10GHz帯
2,400〜2,450MHz・5,650〜5,850MHz・10.0〜10.25GHz・10.45〜10.5GHzもJARLの図のとおり持っています(衛星・レピータ・ATV・高速データ・CW・狭帯域の電話・電信・画像・ビーコン・全電波型式・アシスト)。呼出周波数は2,427MHz・5,760MHz・10.240GHzです。10.25〜10.45GHzは図に無いため判定しません。
バンドの端の判定に使う占有帯域の見積もり
側波帯(USB/LSB)は記録に残らないので、慣習で推定しています。
| モード | 発射の範囲(セットした周波数から) | 根拠 |
|---|---|---|
| SSB・SSTV | 10MHz未満はLSB(下へ3kHz)、10MHz以上はUSB(上へ3kHz) | 国内の慣習 |
| FT8・FT4・JS8・JT65・PSK31 | 全バンドUSB(上へ3kHz) | WSJT-X等の既定 |
| RTTY | 全バンドLSB(下へ3kHz) | マーク2125Hz・スペース2295Hzの音をダイヤルの下側に出す伝統的な運用。実際の幅は数百Hzで、3kHzは安全側 |
| AM | 上下3kHz(計6kHz) | 早見表「A3Eにあっては占有周波数帯幅が6kHz以下」 |
| FM | 上下8kHz(計16kHz) | F3Eの占有周波数帯幅の許容値 |
| DV | 上下3kHz(計6kHz) | D-STAR DVの占有周波数帯幅 |
| CW・選択肢に無いモード | 幅を持たせず、端にセットしたときだけ注意 | A1Aの幅は数百Hz |
例: 7.200MHzのSSBは「バンドの端の周波数」、7.001MHzのSSB(LSB)は「占有帯域がバンドの下端の外へ出ます」、14.347MHzのUSBは14.350MHzで収まるので注意は出ません。推定が運用と違う場合(40mでUSBを使うなど)は、注意が外れることがあります。
割当範囲(赤く表示して保存を止める範囲)
告示の割当の外は保存できません。3.5MHz帯の割当は令和5年9月25日の改正後の値(3,500〜3,580・3,599〜3,612・3,662〜3,687kHz)です。
改正への追従
告示とJARLバンドプランの改正は、開発側が定期的に確認して表を更新します。この文書の「確認日」が古いと感じたら、上の出典で最新版を確かめてください。